「お宮詣り」とは、その土地の神様である産土神（うぶすながみ）に、赤ちゃんの誕生に対する感謝を伝え、これからの健やかな成長を祈願する行事です。

男児は生後30日か31日、女児は生後31日か32日に行います。しかし第一に赤ちゃんや産後の母体への配慮を十分に考え、天候の良い日や吉日を選んでお詣りされるとよいでしょう。

着物には赤ちゃんが健やかに育って欲しいという願いが形や柄になって表現されています。

【鷹】
千里を見渡し勇壮に空を舞う鷹
はるか先まで見渡せる目と獲物をがっちり掴む爪を持っていることから「先を見通す力、物事の本質を見抜く力を持ち、幸運をしっかり掴んで離さない子供に育ってほしい」という願いが込められています。

【兜】
戦国時代の武具を表し防具として「身を守る」という意味を持つ兜は「邪気や災難から身を守れますように」という願いが込められています。

【まり】
蹴鞠が平安貴族の遊びであったことから高貴さを表しています。鞠の形状から「何事も丸くおさまりますように」「丸々と健やかに成長しますように」という願いが込められています。

【御所車・花車】
ひな人形の道具にもある御所車は貴族が使用していた乗り物です。優雅な平安時代への憧れや高貴さを表し、婚礼衣装など晴れの日の着物にも多く描かれ雅やかな文様です。

【宝尽くし】
松竹梅・打ち出の小槌・巻軸・丁子・宝珠・分銅・隠れ笠・隠れ蓑など縁起の良い柄がいくつか組み合わせて描かれています。宝物が集まった福徳を呼ぶ吉祥文様です。

【束ね熨斗】
沢山の熨斗を束ねることから「多くの人たちから祝福を受け、更にその幸せを分ちあってほしい」という願いが込められています。また人と人との絆・繋がりや、長寿の象徴でもあるとてもおめでたい文様です。

【鼓】
日本の伝統的な和楽器は教養の象徴で技芸の上達を願う柄とされています。また大きく美しい音が鳴ることから「身がなる」「物事が成る」などにかけて成功を表す文様です。

【フードとよだれかけ】
初めて外出する赤ちゃんの肌や健康を守る必需品です。

【守り袋】
参拝した神社でいただいたお守りを入れるための袋。お宮参り着物の紐に通して使用します。

【扇子と麻の緒】
赤ちゃんの名前と生年月日を書き込んだ扇子を熨斗袋に入れ麻の緒を添えて神社に参拝します。祈願したあとは神社に奉納します。扇子はその形から末広とも呼ばれ末広がりに栄えるとして好まれる縁起物です。麻の緒は麻が丈夫な植物の為「丈夫に育ってほしい」と願い、麻の白さは白髪に見立てて長寿を祈る意味も込められています。

【犬張り子】
妊娠５ヶ月目に「帯祝」といい、犬にあやかって安産であることを祈願します。犬の張り子は無事に出産したことに感謝し「子犬のように元気に育つように」との願いが込められた玩具です。

【でんでん太鼓】
犬張り子と同じように縁起のよい品とされ古くから誕生祝いの玩具とされてきました。宮詣りに持参し、その後は赤ちゃんの部屋に飾っておきます。

【誕生記】
誕生と健やかな成長の記録帳として用います。誕生記に記された出生時の出来事や成長過程の記録は、大切な足跡としてよい思い出の品となることでしょう。

予約が必要な神社もありますのでチェックしておきましょう。

ご祈祷をしていただく時は「御初穂料」または「御玉串料」と表書きした金封をお渡しします。

お食事会をされる方は、お店や仕出し料理等の予約もしておくとスムーズです。

お詣りの際、父方の祖母が母体を気遣って赤ちゃんを抱くものとされていました。しかし現代ではお母さんが抱いてお詣りされる方も多くおられます。お宮参り着は掛け着として絵柄が良く見えるように広げ赤ちゃんを包むよう羽織らせます。お守り袋や扇子など縁起の良い小物は着物の紐に通して背中で蝶結びをするとよいでしょう。

着物をハンガーに掛けて休ませます。汚れている場合は早めにお手入れへ。レンタルの場合は、はなふさへご返却ください。

出産祝いをいただいた方へ『出産内祝い』を贈ります。

命名軸やお食い初め食器、誕生筆なども取り扱っております。